インプラントを安全におこなうために
インプラントは、見た目の自然さやしっかり噛める機能性から、多くの方に選ばれている優れた治療法です。しかし、外科手術を伴うため、治療には一定のリスクがあることも事実です。
安全性の高い治療を行うためには、歯科医師の技術力や豊富な経験に加え、精密な診断や手術を支える高度な設備環境が欠かせません。
当院では、先端の医療機器とデジタル技術を積極的に導入し、より安心・確実なインプラント治療を提供しています。こちらでは、安全性を高めるための当院の取り組みや設備について、詳しく紹介いたします。
インプラント治療にともなうリスクと副作用について
インプラント治療は安全性の高い治療法ですが、外科手術を伴うため、いくつかの副作用やリスクが生じることがあります。
当院ではこうしたリスクを最小限に抑えるための対策を行っていますが、治療を受ける前に知っておくべき主な注意点をご紹介します。
主な副作用(多くは一時的なものです)
腫れ・痛み
手術後、一時的に腫れや軽度の痛みが出ることがあります。通常は数日〜1週間ほどでおさまり、鎮痛薬や冷却などの適切なケアで管理できます。
内出血
頬やあごにあざのような内出血が見られることがありますが、こちらも自然に回復します。
違和感
人工歯根が骨と結合していく過程で、軽い違和感を感じることがあります。こちらも時間の経過とともに落ち着いていきます。
注意が必要な症状・リスク
インプラント周囲炎
インプラントそのものはむし歯になりませんが、周囲の歯ぐきに炎症が起こる「インプラント周囲炎」が発生することがあります。これは歯周病に似た症状で、進行するとインプラントの脱落につながる可能性もあります。毎日の丁寧なセルフケアと、定期的なメンテナンスが予防には欠かせません。
骨との結合不良(オッセオインテグレーションの失敗)
インプラントが骨としっかり結合しない場合、安定性が得られず再治療が必要になることもあります。特に骨の量や質が不足している方、喫煙者の方はリスクが高まるため、事前の検査や対策が重要です。
アレルギー反応(非常にまれ)
インプラントには主にチタンが使用されており、生体適合性が高くアレルギーはほとんど報告されていません。ただし、万が一異常を感じた場合は速やかにご相談ください。万が一の際も、適切に対応します
これらの副作用やリスクは多くの場合、適切な処置と定期管理により回避・改善が可能です。当院では術前の丁寧な検査とカウンセリングを行い、リスクを最小限に抑えた治療を心がけています。気になる症状がある場合は、どんなことでも遠慮なくご相談ください。
安全なインプラント治療への取り組み
経験知識ともに豊富なドクターが執刀
インプラント治療を安全に行うためには、精密な設備だけでなく、豊富な経験と確かな技術を持つ歯科医師の存在が欠かせません。当院では、これまで数多くの症例を手がけてきた歯科医師が、丁寧かつ確実に治療を行っています。
患者様お一人おひとりの骨の状態やお口の環境を見極め、抜歯即時埋入やフラップレスインプラントなど、多様な術式から最適な治療法をご提案し、安全面に十分配慮したうえで、長期的に安定したインプラント治療を提供しています。
安全で精密な治療のためのCT
当院では、インプラント治療の前に必ず歯科用CT撮影を行っています。
骨の厚みや高さ、神経や血管の位置などを三次元的に把握することで、安全性の高い治療計画を立てることができます。CTによる診断を行わずにインプラントを埋入すると、位置や角度にズレが生じてしまい、インプラントの脱落やトラブルの原因になることもあります。
治療後の良好な結果を得るためにも、術前の綿密なシミュレーションは重要です。また、当院のCT機器は歯科専用のもので、被ばく量が抑えられており、安心して撮影を受けていただけます。鮮明な画像で精度の高い診断が可能な環境を整え、患者様にご納得いただけるインプラント治療を実現しています。
歯科用CTで分かること
顎の骨の状態
インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込む治療であるため、骨の厚みや高さ、密度などが重要になります。歯科用CTでは、顎の骨の状態を三次元的に正確に把握することができ、インプラントを安全に埋入できるかどうかを判断する上で欠かせない情報が得られます。もし骨が薄い・足りないと診断された場合は、骨造成などの前処置をご提案いたします。
神経や血管の位置
インプラント治療では、周囲の血管や神経を傷つけないようにすることも大切です。歯科用CTを使えば、神経や血管の正確な位置を確認できるため、安全な位置・角度・深さでインプラントを埋入することができます。神経麻痺や出血などのリスクを最小限に抑えるためにも、CTによる術前診断は重要です。
3Dシミュレーションによる精密な治療計画
当院では、CTで撮影した断層画像からコンピューター上に3D画像を再現し、治療のシミュレーションを行っています。このシミュレーションによって、インプラントを埋め込む位置や角度、深さを細かく設計できるだけでなく、最終的な被せ物の形や噛み合わせまで含めたトータルの治療計画を立てることが可能です。
事前に綿密なシミュレーションを行うことで、周囲の神経や血管などの大切な組織を傷つけるリスクを減らすとともに、より機能的で見た目にも美しい仕上がりを目指すことができます。
治療の精度を高めるガイデッドサージェリー
ガイデッドサージェリーとは、コンピューターで立てたシミュレーション通りにインプラントを埋め込むためのサポート方法です。患者様のお口に合わせた「サージカルガイド」という専用のテンプレートを装着することで、ドリルの角度や深さを正確にコントロールし、周囲の組織をできるだけ傷つけずに治療を行うことができます。
骨の中は目で見ることができないため、経験豊富な歯科医師でも感覚だけに頼るのはリスクを伴います。ガイデッドサージェリーを活用することで、事前の計画を忠実に再現し、安全性と精度を高めた治療が可能になります。
精密な治療を可能にするマイクロスコープ
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)は、肉眼では見えにくい部分まで鮮明に確認できる拡大視野を持つ医療機器です。最大で24倍に拡大できるため、インプラント治療においては歯ぐきの状態や骨の形状、インプラントを埋め込む位置などをより細かく確認しながら、精度の高い処置を行うことが可能になります。
また、インプラントの上に人工の歯を装着する際にも、歯ぐきとの接触や見た目の自然さを丁寧に調整でき、より美しく、違和感の少ない仕上がりを実現します。
インプラント術後トラブルを防ぐ歯周病管理
インプラント治療に先立ち、歯周病の管理は欠かせません。歯周病は歯を支える骨を溶かしてしまう病気であり、その状態でインプラントを埋入しても、しっかりと固定されず、将来的にぐらつきや脱落などのトラブルを引き起こすリスクがあります。
当院では、たとえ軽度の歯周病であっても見逃さず、インプラント治療の前にきちんと改善を図ることを大切にしています。こうした丁寧な準備が、インプラントを長く快適に使っていただくための基盤となります。
衛生管理を徹底した、安全な手術環境
インプラントは外科手術を伴う治療であるため、清潔な環境のもとで行うことが重要です。当院では、手術時に滅菌処理済みの使い捨て手術着を着用し、器具・機材もすべて厳密な滅菌管理を行っています。
また、手術を行う空間そのものの衛生環境にも細心の注意を払っており、患者様にとって安全・安心な環境を整えたうえで、インプラント治療を提供しています。手術時の感染リスクを最小限に抑えるため、見えない部分にもこだわった管理体制を徹底しています。